先日、macOS Big Sur 11.3 へアップグレード後に、Android Studio 4.1.3 でエミュレータが起動しない事象が発生しました。
原因は、Apple の hypervisor の資格の扱い方が変わったためです。
「com.apple.vm.hypervisor」から「com.apple.security.hypervisor」へ変更になったのが原因のようです。
対処方法は、「qemu-system-x86_64」へ資格を追加する必要があります。
簡単に解説すると「entitlements.xml」を作成し、「codesign」コマンドで「qemu-system-x86_64」へ署名します。
具体的な追加方法
まず「entitlements.xml」ファイルを作成します。
vi でもテキストエディタでも問題ありません。
また、場所も好きな場所に作成して問題ありません。
ただし、今回はわかりやすく解説するため、「qemu-system-x86_64」バイナリと同じ位置に作成します。
人によって「sdk」フォルダの位置は異なりますので、今回はこの位置にある前提で解説します。
~/AndroidStudio/sdk/
ターミナルを起動し
cd ~/AndroidStudio/sdk/emulator/qemu/darwin-x86_64
へ移動しましょう。
Vim などのエディタをにて「entitlements entitlements.xml」ファイルを作成します。
こちらのファイルは、ファインダー上でエディタアプリなどで作成しても問題ありません。
vi entitlements entitlements.xml
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd"> <plist version="1.0"> <dict> <key>com.apple.security.hypervisor</key> <true/> </dict> </plist>
続いて、「qemu-system-x86_64」へ署名します。
ターミナルにて、下記のコマンドを実行します。
(ディレクトリは、先程と同じ位置、~/AndroidStudio/sdk/emulator/qemu/darwin-x86_64)
codesign -s - --entitlements entitlements.xml --force qemu-system-x86_64
実行後に、エラーなどが表示されず、処理が終了すれば完了になります。
後は、Android Studio などで今まで通り実行すればエミュレータ立ち上がります。